防音マンションが音楽家のステイホームを救う?
すっかりご無沙汰しております、『MUSISION LIFE』。なかなか新しいインタビュー取材におうかがいできない状況の中で、今日は番外編?!ということで、ミュージションの利用者様へ、オンラインでインタビューを実施しました。
今回は「ミュージション武蔵中原」を音楽教室兼スタジオとしてご利用いただいている、チェロ奏者の斎藤孝太郎さんに、ミュージション担当の営業スタッフと戸口木綿子でお話しをうかがいました。
ステイホームとなってからの音楽家のお仕事について。これからのこと、ミュージションのことをお話しいただきました。
戸口斎藤さん、初めまして! 戸口と申します!
斎藤さんいつもお世話になっております! 斎藤です! どうぞよろしくお願いします!
営業スタッフ斎藤さん、大変ご無沙汰しております~~!!
斎藤さんコンサート(※1)の際はありがとうございました!
戸口実は、今日のこの3人、全員ミュージションの利用者なんですよ。私もつい先日家族でミュージションに引っ越しまして!
斎藤さんおぉぉぉ! そうなんですね!
営業スタッフ本当ですね! 全員利用者だ!嬉しい~!
3月からほぼ無職状態……
戸口斎藤さん、早速なんですが、コロナ禍の影響をモロに受けているのではないかと思うのですが、ビフォーコロナ、アフターコロナ、いかがでしょうか。
斎藤さん僕は今まで個人スタジオやスクールでのレッスンがメインの収入源で、ライブやイベントも出演してきたのですが、3月からほぼ無職ですよ。レッスンも、東京から電車に乗って通ってくださる生徒さんが多いので、休止しています。
戸口最近はオンラインレッスンに移行されている教室や先生のお話しも聞こえてくるのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
斎藤さんオンラインレッスンはやっていません。僕の生徒さんだけが見られるYouTubeチャンネルで、“お助け動画”を見てもらえるようにはしていますが、会費はいただいていなくて。僕の生徒さんは趣味でされている大人の方が多くて、スキルはもちろんですが、このレッスンに来るという時間と空間を求めていただいているんだと思うんですね。なので、オンラインで生徒さんの自宅とつなぐということは、生徒さんのプライベートにもぐることにもなる。そこまでしてレッスンをするべきなのか、僕はそうではないと考えているんです。
営業スタッフなるほど、いろいろな考えがありますよね。
斎藤さん確かに、収入減が枯渇するのは僕にとっては辛いことです。けれど、それは生徒さんには関係のない話じゃないですか。いつからレッスンが再開できるのかまったく目途が立ちませんが、僕は緊急事態宣言が解除されたから6月からさあ再開、ということもしません。生徒さんの要望にはできるかぎりこたえますが、例えば、生徒さんが通っていらっしゃる途中でウィルス感染して、それが元でもしもの事があったら、「あの時、チェロ教室になんか行かなければ」となる。それって、ものすごく悲しいことですよね。その可能性が今よりも軽減されないことには、僕は慎重にならざるを得ませんね。
戸口それは確かに、考えさせられますね。しかし、このままいくといつ解禁できるかもわからない状況が長引くと、暮らしていけなくなってしまいますよね。
斎藤さん今は貯金を切り崩しながら生活してますけど、尽きたらおしまいですけどね。僕はずいぶん前から動画撮ったりそれをたまにYouTubeチャンネルに上げたりはしていたので、3月からは本格的に色々と研究をしてスキルをあげています。ZOOMさんからwebカメラ対応の機材Q2n-4Kをお借りしているので最近は生配信もやっています。生配信を見てくださった方からの“いいね”も嬉しいのですが、投げ銭や通販でCDやDVDのご注文をいただく方がとても嬉しいです。リアルな話をしてしまって申し訳ないです(笑)。
戸口必ず投げます!
ミュージション武蔵中原からの生配信の様子↓
音楽家同士で助け合う
斎藤さんネットを見ていると、同じように生配信している音楽仲間をよく見るんですけど、すごく小さい声で歌ってる方とかいて。自宅で大きな声が出せない人って結構いるんですよね。そういう配信を見て、「ミュージションで大きな声で配信しない?機材もあるよ」と声をかけ、配信スタジオとして使ってもらってます。僕はPAと映像の操作をして裏方に徹しています(笑)。
戸口それはすごいことですね! 声をかけてもらったシンガーさん、喜ばれるでしょうね!
斎藤さんおかげさまで喜んでいただいています。3.11の震災の時に感じたんです、音楽って、やめさせられるのは一番早くて、復活は一番遅いなって。生きていくのに正直必要ないじゃないですか、音楽。僕たちには必要ですが……。こういう非常事態でもちゃんと国に助けてもらえるように音楽家・芸術家の社会的地位は上げていくにはもっとちゃんと色々なことをやらないといけないな、と改めて実感しました。だから、まずは音楽家同士で助け合っていくことが大事だなって思うんですよ。
営業スタッフ助け合う、大切なことですね。いつか自分が助けられる日も来ますね。
斎藤さんそういう意味では、「ミュージション武蔵中原」はライブ生配信環境最高なんですよ。24時間音出しできるし、ネット環境も、LAN直刺し(※2)ですぐ使えるから、本当助かってます。配信には通信速度はとても重要なので(笑)!
戸口「ミュージション武蔵中原」はその点便利ですよね! 私が引っ越したミュージションは自分で光を契約するタイプだったんですが、工事日のめどが立たなくて、今はスマホのテザリング頼みです。動画配信はいつになることやら、ですよ。
営業スタッフご自分の活動スタイルに合わせた、物件のネット環境選びも、これからますます重要になってきそうですね!
斎藤さんあと、“肉のハナマサ”が近いのはありがたいですね。もう電車は2月末から一度も乗ってないけど、ハナマサがあるから困らなかったです。
戸口ハナマサ最強説!(笑)。
ステイホームで見えた、本当に大切にしたいもの
戸口さて、間もなく首都圏も緊急事態宣言が解除されようというところですが、これからの活動について、どのようにお考えですか?
斎藤さん第一に、レッスンを続けたいですね。こうなってみて、考える時間がたくさんあって。その中で、自分が一番何について考えていることが多かったかなと振り返ると、やっぱりレッスンに来てくれてる生徒さんのことなんですよ。自分がメジャーデビューするぞとか、武道館でライブするぞとか、そういうことは思わない。もういい歳なので(笑)。叶っちゃったっていうのもあるんですけど、自分が人前で演奏することは、今はどうしてもやりたいとは思わないですね。
営業スタッフ何を大事にしているかが見えた、ということですね。
斎藤さんあと、生配信ライブではお金につながると嬉しいです。自分にすごく合ってるんですよ、生配信ライブ。配信じゃないと出来ないこともあるので。で、将来は一棟丸ごと音楽尽くめのビルを建てたいです。
戸口ビルですか! どのような?
斎藤さん1Fはカフェにして、2Fが音楽教室で3Fがスタジオと事務所、それより上の階は居住用スペース。1Fのカフェは、レッスン前の生徒さんたちの憩いの場にするんですよ。
営業スタッフ素敵ですね!! ご用命はぜひミュージションに!
斎藤さんはい(笑)! ありがとうございます。なかなかこういう時に支援とか補助がおりづらいのがフリーランスミュージシャンの宿命なので、会社をつくって法人にして、厚生年金を国にちゃんと収められるようになるのを目標にして、堂々と支援受けられるようにもしたいなと思います。社会的にきちんと職業として認めてもらえるようにしたいですね。
戸口共に働きかけていきましょう! ミュージションも全力で応援いたします! 今日は本当にありがとうございました!
斎藤さんまたぜひ、声かけてください!
プロフィール
斎藤孝太郎(チェロ,作曲,編曲,プログラミング)
北海道札幌市生まれ湘南育ち。日本大学芸術学部卒業。椎名林檎、アンジェラ・アキ、Jazztronik、クレイジーケンバンド、などの録音及びLIVE 演奏、PV 出演、テレビ出演など多数参加。2005年、トンガリキッズで徳間ジャパンよりメジャーデビュー。第17 回コクーン歌舞伎にチェロの即興演奏で参加。故中村勘三郎と共演。第81 回アカデミー賞外国語映画賞作品『おくりびと』では本木雅弘に、台湾ドラマ『流氓蛋糕店/ ショコラ』では主演の長澤まさみにチェロ指導を行う。2015 年の松居慶子のJAPAN Tour に参加。2015 年に新潟津南の なじょもん公認『なじょもん. 縄文親善大使』に任命される。新潟の火焔の国をホームグランドとして活動している。日本国内で唯一エレクトリックチェロを自在に操るチェリスト。縄文土器の文様から音楽を作り出すアートプロジェクトJOMON MUSIC of the EARTH主宰。音楽教室 SAI MUSIC SCOOL主宰。
●Official web site
●YouTubeチャンネル
※1・・・2019年ミュージション門前仲町で開催したロビーコンサートにご出演いただきました。
※2・・・インターネット環境は物件ごとに異なります。