家でギターの練習をするのもダメ?
家でギターの練習をするのもダメ?
趣味やバンド活動など、自宅でギターの練習を行いたい人もいるでしょう。しかし、アンプにつないでいないギターの音でも、家で練習する際には、防音について考えなければ近所迷惑になりかねません。今回は、壁だけでなくフローリング(床面)への工夫について解説していきます。
まず知っておこう!ギター音の特性
ピアノなど家の中で練習できる楽器はいろいろとありますが、それぞれの楽器の特性によって防音対策は異なります。たとえば、ピアノの音は下方向へ響くため、床に対して遮音性のある素材を敷く配慮が必要です。アコースティックギターの場合、音は前方方向へ拡散していきます。つまり、ギターを弾いている本人が聞こえている音よりも、前方にいる人のほうが音は大きく感じられるのがギター音の特徴です。そのため、自分ではそれほど大きな音ではないと感じていても、周りの人にはうるさいと思われることもあります。エレキギターの場合、アンプにつなげると大きな音が出ますが、つなげないと騒音にはならないと思っている人もいるかもしれません。しかし、ギターは弦楽器であるため、弦を弾くと少なからず振動で音が出ます。特にフルアコは、セミアコやソリッドと比べてかなり大きな生音が出るので注意が必要です。3つのなかで音が一番小さいのはソリッドなので、音の問題を考えてギター練習をするのならソリッドを選択するのがおすすめです。また、エレキギターではアンプからの振動音にも配慮する必要があります。実は、アンプにつなげたとしても音調整を行えば騒音による近所迷惑にならないというのは間違いです。アンプの振動が床を伝って階下に響いてしまうこともあるので注意しましょう。
ギターの音ってどのくらいうるさいものなの?
ギターがどのくらいうるさいものなのかを数字を使って見ていきましょう。環境省は、主に住居地に適した音の基準として、昼間55デシベル以下、夜間45デシベル以下を掲げています。療養施設など特に静かな環境を保たなければならない場合は、昼間50デシベル以下で夜間40デシベル以下です。一方、住宅地を含む商業地・工業地などに対しては、昼間60デシベル以下、夜間50デシベル以下としています。これらの基準を上回る音は、私たちにとって騒音とみなされるので注意が必要です。ギターの音量は、アコースティックギターでおよそ80〜85デシベルとなり、これは大型トラックのモーター音や機械工場の音などに相当します。エレキギターは、アンプにつなげると100〜120デシベル程度となり、こちらはジェット機が上空200〜600メートル付近を飛んでいるときの音とほぼ同程度です。いずれのギターも、昼間の商業地や工業地よりもはるかに大きな騒音として認識されてしまうことがわかります。演奏している本人は、楽器から出る音の大きさを自覚しにくいものですが、自宅でギターの練習をする際には、どれほどギター音は大きいのかをきちんと理解することが大切です。くれぐれも、自分自身がうるさいと感じないからといって他の人もうるさくはないだろうとは考えずに、適切な防音対策を行ってください。
フローリングに対策を行えば階下への音漏れを防げる?
フローリングは通常木でできていますが、木は音を通しやすい素材です。床がフローリングの部屋でアンプを使ってエレキギターの練習をすると、近所に対してギター音が筒抜け状態になってしまうこともあります。そのため、「遮音シートなどを使ってフローリングに対策を行えばギター音は近所迷惑にならないか」という質問に対しては、答えは多くの場合NOとなるでしょう。理由は、遮音対策といっても遮音できる程度には限界があるからです。建物自体に防音設備が備わっているのなら話は別ですが、建物の素材や壁の厚さが防音用ではないのなら、フローリングに遮音対策を行っても近隣に対してギター音が騒音と認識される恐れが高いといえます。
防音対策を少しでも効果的にする方法
フローリングの床に対して防音対策を取る場合は、ただ単に遮音シートを敷いたり防振マットを置いたりするのではなく、ちょっとしたテクニックを使います。遮音シートは、何重にも重ねることが可能です。また、遮音シートと防振マットを重ねることによって、空気音と固体音の両方を軽減させられます。フローリングの防音対策を行う場合は、必ず空気音と固体音の両方を意識するよう心がけましょう。
もっとも簡単な防音対策は防音マンションを選ぶこと
初めから壁や床が薄いマンションでは、どんなに防音対策をしても音が近隣に漏れてしまうことがあります。音のトラブルを気にせずにギターの練習をしたいのなら、初めから防音のことを考えて作られた防音マンションに住むことがベストな選択といえるでしょう。防音マンションのなかには、24時間楽器の演奏が可能と謳っているところもあります。真夜中を含め、いつでも好きなときにギターの練習が可能となります。防音マンションに住めば自ら遮音シートや防振マットなどを購入して取り付けなくて済むので、手間も費用もかける必要はありません。
ギターの練習を思いっきりしたいなら防音マンションを検討しよう
マンションは、造りによって防音効率が大きく異なります。床や壁が薄い部屋に、何枚遮音シートを重ね張りしても音漏れを防ぐのには限界があります。騒音の問題はご近所トラブルのなかで最も多いものの1つであり、誰もができるだけ避けたいと思うものです。しかし、近所の目を気にしすぎて思う存分ギターの練習ができないのも、人生を損しているといえるので避けたいことです。周りを気にせず好きな時間にギターの練習を行いたいなら、24時間楽器の演奏が可能な防音マンションをぜひ検討してみてください。住環境を快適なものにして、毎日をもっと楽しいものにしていきましょう。