「音楽を仕事に」を実現した 防音マンションの住居兼スタジオ
24時間音楽演奏が可能な防音マンション「ミュージション」の部屋を訪ねて、“音楽のある暮らし”をのぞき、その魅力を語る企画。第19弾は、編集部がミュージション担当の戸口とともに、「ミュージション川越」にお住まいのボイストレーナーで作曲家の細見豊さんのお宅を訪ねました。
細見さんは、現在ボイストレーナーとして7歳から74歳までに向けてレッスンし、多い時は月に90名ほどの生徒さんを教える人気講師です。また、さまざまな楽器でアーティストのバックバンドを多彩にこなす一面も。そんな音楽専業の生活を送る細見さんが語るミュージションの住み心地とは?
音楽と生活をコンパクトに両立する理想の間取り
編集部大きな窓から光がたっぷり入って開放感のあるリビングですね。さっそくですが、ミュージションとの出会いについて聞かせてください。
細見さん音楽家である知人からミュージションの評判を聞いたことがきっかけでした。当時の僕は実家暮らしでしたが、いずれは家を出て自宅で音楽教室を開きたいと思っていて。ミュージション川越には、音楽家である他の知人も住んでいたし、高校生の頃から活動している縁の深いライブハウスも近所にあるので、いつかはここに住めたらいいなとずっと思っていました。
戸口ありがとうございます。長い間ミュージションに想いを寄せてくださり、嬉しいです。ミュージションは機能性はもちろんデザインも評判で、とくにミュージション川越は2000年にグッドデザイン賞を受賞しているんですよ。
細見さん家で教室を開くならレッスンの部屋と寝室は分けたいけど、広すぎると逆に落ち着かないんですよね。その点、川越はベースフロアとアップフロア(ロフト)があって、音楽活動とプライベートを分けられるのも魅力でした。内覧には行かず、サイト上で写真だけ見て申し込みを決めたのですが、実は、ここからが大変で。
編集部え、どう大変だったんですか?
細見さん実家を出てすぐに入居できるかな〜と思いきや、僕以外にも入居希望者が多数いて、空き次第、先着順で申し込まないと入居できない状況だと聞いて。こんなに人気だったとは、予想以上でした。普通なら似たような物件を探して引っ越しちゃうと思うんですが、僕は住むならミュージション以外に考えられなくて。なので、いつでも入居できるように、旅館やホテルで住み込みで働いて資金を貯めながら空室が出るのを待つことにしたんです。ある日、やっと空室が出たので急いで申込用紙をFAXで送ろうとしたのですが、肝心のFAXが住み込み先にないことに気付いて……。山の上にあった職場から大急ぎでFAXを探し求めて下山しているうちに、先着順の枠が埋まってしまったこともありました(笑)。
戸口その節はご不便をおかけしました。当時はFAXでしたが、いまは全国どこからでもインターネット上で手続きが完結できるようになりましたので、ご安心ください(笑)。
編集部入居に備えていつでも動けるようにな状態で待っていたなんて、すごい情熱ですね。
細見さん何がなんでも入居すると決めていましたから。その次にチャンスが回ってきた時は、申し込みの後すぐに担当者に電話して、「今送った書類届いていますか?!」と確認するほど必死でした。入居が決まった時は本当に嬉しかった。
「いい家だなあ」と毎日思う
編集部ようやく始まった念願のミュージションでの暮らし。機能面についてはいかがですか?
細見さん住み込み時期はやっぱり遠慮していたので、ボーカルもギターもキーボードも思いっきり練習ができなかったんですよね。ここに入居してから、のびのびと練習しすぎて「あれ、ここまで出しちゃって大丈夫かな?」とふいに思ったりして。なんせこちらにも本当に周囲の音が聞こえないので、どれくらい思い切って出すと聞こえてしまうのかというのが、比べようがないんです(笑)。
戸口演奏者のみなさんって、もう“我慢すること”が当たり前になってしまっているのかもしれませんね。だから、ミュージションでは入居者の方々のリミッターを外すお手伝いをするのも私たちの仕事だと思っています。ご心配であれば、今度計測しますよ!
細見さんそれは心強いです。あと、これまでアイデアを出す時には解放感を求めて散歩へ行っていましたが、この部屋は外に出なくても良いくらい十分な高さがありますよね。やっぱり、天井が高い方が歌ったり演奏したりする時によく響きます。
戸口1Kのメゾネットタイプは約3.8mの天井高なので、延べ面積以上の解放感と日当たりの良さを体感できますし、なんといっても演奏の響きを堪能出来ると好評です。
細見さん特に、ミュージション川越は縦長な空間で間取りもコンパクト。僕は荷物がそこまで多くないので、収納もちょうど良く、もうすべて理想通りなんです。毎日「いい家だなぁ」って言っていますね。あと実際に住んでみて良かったのが、宅配ボックス。ボーカルレッスンは自宅だけでなく外出することも多いので、エントランスに大きめのものも入る宅配ボックスがしっかりと備え付けられているのも嬉しかったです。
「音を仕立てる」プロフェッショナルへ
戸口細見さんはいつから音楽をやっているんですか?
細見さん幼少期から歌うことが好きで、お風呂でひとり発表会をするような少年でした。中学校3年生頃からギターや作曲を始めて、専門学校ではシンガーソングライター専攻でした。卒業後はいわゆるバンドマンとして、色んなバンドに入って演奏したり、弾き語りしたり。でも、なかなか収益につながらないのでバイトをしながら音楽活動を続けていました。その時から後輩に向けてボイストレーナーの真似事をしていて、「自分は教える方が向いているな」と感じてはいたのですが、それをどう活かしたらいいか分からないままでした。
編集部悩まれていた時期もあったんですね。
細見さんでもミュージションに住み始めて、それまでの生活から大きく変わりましたね。音楽に専念するんだと腹を括って、すぐ開業しました。
編集部屋号は「音の仕立て屋さん」。どんな意味が込められているのでしょう?
細見さんゲームのRPGで例えると「勇者」ではなく、勇者を支える側の「防具屋や道具屋」のようなイメージですね。アーティストのバックバンドや、歌いたい人をトレーナーとしてサポートする「最強の補佐」の方が好きだってことに気付いたんです。
編集部音楽へのアプローチや立ち位置を見直されたんですね。
細見さんそうですね。マイケル・ジャクソンのような主役として認められたくて「自己表現しなきゃ」ってどこかで躍起になっていたんですけど、ミュージションのウェイティング期間中、福祉施設で利用者の方々と歌ったり、旅館の仲居さんとしてウェルカムライブをやったりしながら「ああ、こういうのだな」という手応えを感じたんです。一周回って「みんなで音楽をするのが一番だな」と。他の楽器のことをもっと知ろうと、それまで触ったことのなかったキーボードやベース、ドラムでのバンドサポートに入るようになっていったことも大きかったと思います。
編集部それは、演奏経験ゼロから練習してステージに立つということですか?
細見さんその楽器は未経験かもしれませんけど、僕はステージで魅せることにかけてはずっとやってきたので。知人に「ウクレレ弾けますか?」と訊かれて、2週間後にステージに立ったこともあります。習慣化して習得するのが得意なんです。
編集部すごい。習慣化させるために工夫をされていることは?
細見さん練習するというより、とにかく楽器に触れて、体の一部にするというか。怠けそうになる前に、先に楽器に触ってさえいれば、結局やり始めるじゃないですか。まず楽器を知ることから始めて、ずっと触りながら理想のフォームを体に覚え込ませて、会得していきます。
編集部「今日は2時間練習しよう!」というよりも、常に触れておく。それがいつでも気兼ねなくできるのも、24時間演奏可能なミュージションならではの魅力ですね。
細見さん最近、ようやく音楽一本で生活が出来るようになったんです。まさにこの環境があったからこそだと思います。
経験値を上げて、人の役に立ち続けたい
編集部今後はどういった活動をしていきたいですか?
細見さん人の役に立つことが一番の活力ですし、教えることが向いていると思います。なので、今後は魅せ方・ステージングのノウハウや、ボーカルレッスンの経験を発展させて、プロデュースもしていきたい。出張レッスンでも良いですし、もちろんこの住居兼スタジオでも。生徒さんが有名になったら、僕がバックバンドでその背中を支えたいです!
編集部楽しみですね。ちなみに、自分の専門じゃない演奏の依頼は断る人が大半だと思うんですけど、これまで断ったお仕事はないんですか?
細見さんないですね。信頼して声をかけてくれている人に応えたいですし、出来ないことでも引き受けたら出来るようになるじゃないですか。現にこうしてウクレレも弾けるようになったし(笑)。
戸口「出来ないことはない、やれば出来るようになる」という細見さんの考え方に勇気をもらいました。これからも応援しています!
ミュージションへの入居を機に、音楽と一層真剣に向き合う決意をされた細見さん。自分の音楽の力で「人の役に立ちたい」と願い、プロとしての姿勢をつらぬく人を、ミュージションは徹底的にこだわった音楽環境を通して、後押ししていきます。
企画:株式会社リブランマインド
文:遠藤ジョバンニ
編集:tarakusa
写真:土田 凌
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