演奏のモチベーションが高まる 防音マンションの音楽好きコミュニティ

24時間音楽演奏が可能な防音マンション「ミュージション」の部屋を訪ねて、“音楽のある暮らし”をのぞき、その魅力を語る企画。第28弾は、編集部がミュージションスタッフの横山とともに、川崎市にあるミュージションのお宅を訪ねました。
フリーランスのWebクリエイターとして働きながら、ピアノの弾き語りスタイルでシンガーソングライターとしても活動するHさん。以前は別の楽器演奏可能な物件に住んでいましたが、より高い防音性能と安心して暮らせる環境を求めてミュージションへ。新しい住まいでは、演奏を思い切り楽しむだけでなく、ミュージションのスタッフが企画するイベントに参加したり、入居者同士の交流を楽しんだりと、“音楽好き”のコミュニティも広がっているそう。演奏も暮らしも充実した日々を過ごせるミュージションの魅力とは?
なんといっても決め手は“人”
横山おじゃまします! この間は私のジャズライブを観に来てくださって、本当にありがとうございました。
Hさんこちらこそお誘いありがとうございました。ステージで楽しそうに演奏する横山さんの姿を見て、「音楽ってやっぱりいいな」と改めて思いました。良い刺激をいただいたので、最近はピアノでジャズを練習しているんですよ。


横山それは嬉しい。2024年の12月にミュージションへお引っ越しされましたが、暮らし心地はいかがですか?
Hさんミュージションは周囲の音がほとんど聞こえないので、とても快適ですね。実は僕、15年前にひとり暮らしを始めてからずっと楽器演奏可能な物件に住んでいて、ここが3軒目なんです。最初の2軒はいわゆる音大生向けのマンションで、演奏できる時間が朝8時から夜11時までと決められていたものの、部屋の広さもひとり暮らしにはちょうど良かったし、都心へのアクセスも良く満足していた。それで長年気に入って住んでいたんですが、ある時から、それまでのように心地よく過ごせなくなって引っ越してきたんですよね。
編集部えっ、何があったんですか?
Hさん入居して7年目くらいから、低周波音や打音が気になるようになって。もちろん、完全防音ではないことは理解していましたし、ある程度は仕方ないと思っていました。それまでは満足していましたが、何かが変わってしまったのでしょうね。
編集部それで、ミュージションに?
Hさん次に引っ越す先もこれまでと同じ楽器演奏可能な物件にするのかどうかは、正直かなり迷っていました。というのも、フリーランスのWebクリエイターとして仕事をしながらシンガーソングライターとしても活動していたのですが、その頃は音楽に対して悩んでいた時期で。ライブもできていなかったし、ピアノもあまり弾けていなかった。「もうひとり暮らしは諦めて、いっそ実家に戻るのもアリかもしれない」と、アーティスト活動を諦めかけているところもありました。でも、ピアノを自由に弾ける環境を手放すことにどうしても抵抗があって、自分はやっぱりまだ諦めていないんだと、もう一度環境を整え直して、気持ちも新しくすることにしたんです。
編集部ここに至るまでにそんな葛藤があったとは……。新しい住まいはどんな条件で探されていたんですか?
Hさん前の物件より良い防音性能であることは譲れませんでした。あとは部屋の間取りですね。以前の物件と同じく1Kで防音室が8畳以上あること、そして独立洗面台があることが希望でした。Webクリエイターの仕事はPCさえあればどこでもできるので、立地よりもいかに自分の求める住環境を満たしているかを重視した結果、ミュージションで気になる物件を見つけたんです。
編集部それで内覧を申し込まれたんですね。
Hさんその時は営業スタッフの方が何棟か丁寧に案内してくれました。すごく親身になって話を聞いてくれて「熱心で信頼できるスタッフさんだな」と感じたのを覚えています。まずは室内の防音性能を確かめるために、隣の号室にスピーカーを置いて大音量の音楽を流してもらい、こちらの部屋でどのくらい聞こえるかをチェックしました。ミュージションの評判は聞いていたものの、 本当に音が漏れず驚きましたね。でも、 家賃が前の物件の1.5倍になる。そこで迷って二の足を踏んでいるうちに埋まってしまって。もっと早く思い切って申し込むべきだったと悔やんでいたタイミングで、ミュージションのLINE公式アカウントから川崎市内の別の物件でもうひと部屋空いたという通知が届いたんです。「今申し込まなかったらきっともう引っ越せない」と、今度は即申し込みました。
編集部まさに運命的なタイミング。ずばり、入居の最後の決め手はなんだったのでしょう?
Hさんやっぱりスタッフさんの人柄ですね。営業スタッフの方をはじめ、別の機会にお会いしたスタッフさんたちも、みんな気さくで温かくて、相談しやすい雰囲気があった。何より、防音性能についての詳しい説明や、万が一トラブルが起きたときの対応についても事前にしっかり説明してくれたので、すごく安心できました。少し背伸びした家賃だけど「ここに賭けてみよう」と。思い切って決断して本当に良かった。
自分を勇気づけてくれたアーティストたち


編集部音楽はいつから始めたんですか?
Hさんそんなに早くはなかったんです。きっかけは中学生の頃、友だちとカラオケに行き始めたこと。歌うのが楽しくなって、TSUTAYAに通ってCDを借りる日々でした。GLAYやL’Arc〜en〜Ciel、浜崎あゆみ、Every Little Thingが流行るなか、僕が誰より憧れたのが河村隆一さん。彼に惹かれて、どんどん歌うことが好きになっていきました。
編集部LUNA SEAやTourbillonのボーカルとして活躍されている方ですよね。
Hさん僕は特にソロで活動している時の彼の楽曲が好きなんです。表現力が圧倒的で、歌声の伸びやかさも唯一無二。もともと歌うことは好きだったので、高校と大学では軽音サークルに入って、ボーカルとして好きなアーティストのカバーを歌っていました。楽器にも挑戦しようとギターを手に取ったけれど、全然上手く弾けなくて(笑)。大学卒業後も「バンドをやりたい」という気持ちはずっと持っていたものの、自分から声をかける勇気がなくて、ただ誘われるのを待っているだけでした。
編集部それからどんな変化があったんですか?
Hさん社会人1年目が終わる頃、少し貯金ができたので実家を出ようと。この時初めてピアノを買うことにしたんです。
編集部え、ピアノは社会人になってからだったんですね。なんでまたそのタイミングで?
Hさんピアノが弾けるようになればシンセサイザーで作曲もできるし、またバンドを組むこともできるかもなと。でも、多少は弾いていたものの、特に演奏の予定もなかったので持て余していました。そんなある日、ショッピングモールであるシンガーソングライターのフリーライブがあると知って観に行くことに。すると、小柄な女性がひとりでキーボードを弾きながら、優しい音色と透明感のある歌声で懸命に演奏していて、人々の足を止めていたんです。その姿を見て「ひとりでもこんなふうに音楽ができるんだ」と衝撃を受けました。それまでの僕はずっと誰かに誘われるのを待っていたけど、彼女の演奏を目の前にして、「僕も思い切ってひとりでやってみよう」と決意したんです。

編集部そのライブが大きな転機になったんですね。
Hさんそれから弾き語りや作曲という目標ができて、少しだけピアノ教室に通い、当時のボイストレーニングの先生にコードの基本的な理論を教わり、1曲、2曲とつくれるように。そして29歳の時、初めてシンガーソングライターとしてオリジナル曲でライブに出演しました。普通なら10代や20代前半から音楽活動を始めて、30歳くらいになると「このまま続けるのか」と迷うタイミングが来るものですが、僕は30歳でエンジンがかかったんです(笑)。
編集部周りと違うタイミングでのスタートに、不安はありませんでしたか?
Hさん劣等感のようなものは、確かにありました。やりたい気持ちが勝る一方で、今から活動を始めて本当に意味があるのか、ライブをしてもお客さんが来てくれるのか。そして年齢を重ねるにつれて、ますます「続ける意味」を考えるようになっていきました。それがミュージションに引っ越してから少しずつ変わったんです。気さくなスタッフのみなさんが明るく声をかけてくれるし、時には飲みにも誘ってくれる。「ライブやる時は絶対教えてください!」なんて言ってくれるのも、本当に嬉しかった。ミュージションって、ただの防音マンションじゃなくて、音楽を愛する人たちが集まる場所なんだなと実感します。

横山ミュージションのスタッフはみんな音楽が好きですからね。それぞれ楽器を演奏したり、歌を歌ったりしているので、入居者さんの気持ちもすごく分かるんです。上手い下手ではなく、「音楽を楽しむことが一番」というのが、私たちの共通の想いです。
Hさんみなさんと話すうちに、そもそも自分にとって音楽とは何なのか、改めて考えるようになりました。なぜシンガーソングライターに憧れたのか、なぜ今も音楽を諦められないのか。気付いたのは、売れたいとか、上手い下手とか、年齢がどうとかよりも、「自分をさらけ出して表現することが格好いいと思うから、僕は音楽を続けているんだ」ということ。ミュージションのスタッフさんがかけてくれた温かい言葉のおかげで、大切なことに気付くことができました。
ミュージションを通じて音楽に貢献したい
横山Hさんとは、ミュージション溝の口で開催された「持ち寄りパーティー」で初めてお会いしましたね。2日間に分けて開催したのですが、両日とも来てくださって!
Hさん交流イベントに入居前から参加できると聞いて、せっかくなら管理会社のスタッフさんとも顔見知りになっておきたかったし、一緒にライブができる仲間が見つかったら最高だなと。とりあえず様子見のつもりで参加しましたが、想像以上に雰囲気が良かったので明日も来るしかないなと(笑)。
横山ミュージションは音楽を通じて人がつながる場でありたいと思っているので、住んでいる人同士が楽しく交流できるように、月に1回、さまざまなイベントを企画しているんです。入居者さんはもちろん、オーナーさんや施工会社の方、これからミュージションを建てようとしている未来のオーナーさんが参加されることもありますし、“音楽好き“という共通点だけで、すぐに仲良くなれるのが魅力ですね。

Hさん実際、あの持ち寄りパーティーで知り合った方とは今も交流があるし、こんなに自然に音楽好きがつながれる場所ってなかなかないですよね。次の4月に開催される「ミュージションフェス」にもボランティアスタッフとして参加予定です。
編集部ミュージションフェスとは?
横山よくぞ聞いてくれました。ミュージションを運営するリブランは、防音マンションを供給するだけではなく、「もっと音楽を身近に」という思いを胸に、2017年から上野水上音楽堂にて音楽フェスを開催してきました。コロナ禍の影響で一時開催を断念したものの、2021年には動画投稿型のオンラインフェスを再開。そして、今年は6年ぶりのリアルイベント復活として4月27日(日)に池袋西口公園野外劇場「グローバルリングシアター」で開催することが決まりました。テーマはずばり、「音楽と本」です!
編集部楽しそうですね。どんなイベントなのでしょう?
横山音楽と本はどちらも「表現」であり「芸術」。私たちの生活を豊かにし、時には励ましてくれたり、勇気をくれたりするものとして、今回のフェスではこのふたつを組み合わせることにしました。プロのアーティストによる音楽ライブはもちろん、絵本の読み聞かせや移動式書店「ブックバス」の出店など、本を楽しむ仕掛けもたくさんご用意しています。目指すのは、音楽好きと本好きが出会い、つながりが生まれるような空間。入場は無料。子どもから大人まで楽しめる1日となっているので、ぜひ遊びに来てもらえると嬉しいですね。私が初めて担当した企画でもあるので、当日どんな光景が広がっているのか今からわくわくしています。
Hさん音楽フェスって、どうしても大規模で派手なイメージがありますが、今回のように「自分たちらしい形で、自然体で楽しめるイベントをつくる」というのはすごく共感できました。テーマも面白い。せっかくなら何かしら関わりたいと思い、ボランティアスタッフとして参加することにしたんです。
横山ちなみに、音楽ライブではシンガーソングライターの奥華子さんもご登場いただく予定です。
Hさん実は、この奥華子さんが、あの時、僕がショッピングモールのライブで出会ってひとりでも音楽を続けるという気持ちをもらったアーティストなんです。
編集部えーーー! 奇跡の巡り合わせですね!
Hさんスタッフをやると返事した後に横山さんから登場アーティストを聞いた時は、もう本当に驚きました(笑)。ボランティアをやらなくても、入居者じゃなくても観に行っていたイベントなので、会場スタッフとしていつもとは違う角度からライブを楽しめたらいいなと。今回のフェスに限らず、ミュージションを通じて音楽に貢献できたらいいなと思っているので、今後も協力できることがあればお手伝いしたいですね。

編集部すっかりミュージションに惚れ込んでますね。
Hさんいやぁもう、ミュージションに引っ越してから、本当に楽しいことばかりで。刺激的な日々を過ごしながら、それを支えてくれるスタッフさんたちの温かさに包まれて、人生がどんどん面白くなってきました。気持ちも明るくなったし、それが仕事にも良い影響を与えてくれて、最近は健康にも目が向くようになってトレーニングも始めたんですよ。ここに来る前の自分では考えられない変化ですよね。入居当初は「賭けてみよう」と思っていましたが、もう完全勝利です。最高の環境ですよ。
横山ありがとうございます! 私もいつかHさんの出演するイベントを企画したいので、楽しみにしていてくださいね。

「ここに引っ越してから、人生が良い方向に向かっている」と、ミュージションへの深い愛を語ってくれたHさん。ミュージションが目指すのは、音楽のある暮らしを通じて喜びを感じる人を増やし、そのつながりをさらに広げていくこと。これからも音楽とともに充実した毎日を過ごせるよう、心から応援しています。
企画:株式会社リブランマインド
文・編集:tarakusa
写真:丹野雄二(提供写真以外)
♪info♪
ミュージションフェス2025
日時:2025年4月27日(日)13:00〜21:00
場所:池袋西口公園野外劇場「グローバルリングシアター」
*ライブの座席は事前予約制。詳細は公式HPからどうぞ。